ブラザーズ・グリム

 グリム童話で有名なグリム兄弟が主人公のファンタジー映画。
 思っていたよりもコミカルで、思わず笑ってしまうシーンが多くてなかなか楽しめました。実史とはまったく違うグリム兄弟のキャラクターも面白かったです。兄と弟の配役が逆なんじゃないかなーと思ったけど、これはこれでいい感じ。*1 フランス支配下のドイツ、という時代背景も、物語に一味加えていました。
 中世ヨーロッパ独特の雰囲気を再現した映像には引き込まれます。迷い込んだら出られないような魔法の森の不気味さがなんとも。
 童話がモチーフになっているけど、『本当は恐ろしいグリム童話』を思わせるような、わりと大人向けの物語でした。ところどころ残酷でグロテスクな描写があって、特に虫嫌いと猫好きの人にはキツイものがあるかも。にゃんこ超可哀相…( つД`)
 随所にグリム童話のネタが散りばめられているのが面白いです。森で攫われるのは赤いずきんを被った女の子だったり、ヘンゼルとグレーテル兄妹がパンをちぎりながら歩いていたり、怪しげなお婆さんがりんごを売りに来たり。あと、『ラプンツェル』を知っていた方がより楽しめるかと思います。
 ピーター・ストーメア演じるカヴァルディがいいキャラしてました。ヅラネタといい、TRICKの矢部を思い出させるなぁ。モニカ・ベルッチの鏡の女王も美しかったです。あとは、サシャっていう少年みたいな少女を演じていた女の子が可愛かったなー。
 登場人物の心理描写が薄かったり、安直にハッピーエンドに走りすぎた印象もあるけど、それはそれ。ファンタジーの最後はハッピーエンドでめでたしめでたし、となるのがお約束ですから。
 『スリーピー・ホロウ』とか『ジェヴォーダンの獣』とか、あの辺の雰囲気が好きな人には楽しめる映画だと思います。それから、マット・デイモンファンと眼鏡男子スキーの方にもお勧め(笑)

*1:実際マット・デイモンヒース・レジャーの申し出で役を交換したらしい。