蟲師 #15

第十五話 「春と嘯く」

★★★★☆

 冬の雪山に春を作り出す虫と、蟲が見える少年と、その姉の話。
 久々に心温まる話で後味がよかった。ギンコがピンチに陥るのも、女の人から慕われるのも初めて見たような。本当はもっと色々危ない目に遭っているんだと思うし、ギンコは普通にモテそうな気もする…どうなんだろう。
 ミハルがギンコの教えを受け継ぐ様子がよかった。「あまり深く関わりすぎるな。お前には帰る場所がある」という言葉は、逆を言えば、蟲に深く関わっているギンコには帰る場所がない、という意味のようにも思えた。でもそんなギンコも人間である以上冬には弱るし、居心地のいいすずの家に長居したくなるんだろうなぁ。春が来てミハルは目を覚ましたけれど、すずの春は終わったのか…。
 「蟲は友達ではなく隣人。でも好きになるのは自由」という言葉からは、ギンコが蟲という存在をどう捉えているのかがよくわかった。それを理解したミハルもまた、いい蟲師になりそうな気がするんだけどな。