巌窟王 #22・23
第二十二幕 「逆襲」
★★★★★
さて、巌窟王放送地域では、すでに昨日最終回を迎えた訳ですが……。もちろん見れてませんけど、何か? ええ、来週までお預けですとも。でも本当に終わっちゃったのか……。これから何を楽しみに生きて行こう。(本気で)
……ああ、漫画? アフタヌーンもう出てるんだっけ? 立ち読みできるかなぁ……。仕方がないので、今さらながら22、23話の感想を書かせて頂きたいと思います。さらっと。
盛り上がってきた! 超盛り上がってきた!!
(最終回を迎えた今頃何言ってんだって感じが否めない……。この乗り遅れた感が非常に虚しいですちくしょうめ)
フェルナン大暴走。パリ崩壊!
アンドレアはこんな状況下でも髪の毛キラキラエフェクト。ヴィルフォールは逃げ惑う人々を指差し「死刑ー! お前も死刑ー!」。ダングラールは金に囲まれて哀れな姿に。復讐も残るはフェルナンのみ。
「救いなんて、いらない」
これは伯爵の言葉だったのか……。そしてここで出てくるのですね。さらに「メダーム、ムシュー、ボンソワー」の声の正体が巌窟王だったとは。「友」=伯爵だという事は分かっていたけど、そういう事だったのか……。
しかしバティスタンいい人! アルベールに携帯を渡して、「伯爵には内緒だぜ☆」。伯爵側の人間なのに、アルベールを応援してくれます。どしたの急に。
……はっ! これ知ってる。“それまで目立たなかった脇役が急に活躍する”……死亡フラグだこれ!! ハイネがいい例だ。
「お前の綺麗事がエドモンを不幸のどん底に突き落としたんだ」
これはもう責任転嫁甚だしいのですが、つまりフェルナンはエドモンをあんな目に遭わせたくなかったという事? フェルナンにとってはエドモン>メルセデスって事? 自分の前から去ろうとするメルセデスを躊躇なく銃で撃っちゃうところを見ると、さらに疑問は深まる訳で。*1 おまけに駆けつけたアルベールにまで発砲! 衝撃。
「そして何より、お前を1番愛していた……」
フェルナンのアルベールに対するこの言葉はちょっと意外。そして、EDの銃口をくわえている男はフェルナンだった訳ですね。この辺りになって、ようやくEDのカットの正体が分かってきます。
しかしやっぱりベルッチオとバティスタン超カッコいい! 何よ、最終回間近にしてこの突然の活躍っぷりは?! 死なないでベルッチオー!!(バティスタンは?)
第二十三幕 「エドモン・ダンテス」
★★★★★+
OPカット+予告なし。一瞬「え?! 最終回?!」と焦ってしまった、最終幕一歩手前の23話。映画の予告的なスタッフ名の出し方が素敵。そして今さら私が言うまでもないのですが……
お姫様のキスで呪いが解かれた!!
もうここまで来ると、バティスタンのベルッチオの呼び方は「兄貴」だったのね! とか、アルベールの悶え顔&声がすごく萌え! とか、そんな無粋な事はとても言えない雰囲気になってきました。(元々そんな風に見る作品じゃないよこれは)
しかしやっぱり叫ぶ。
伯爵がエデにちゅーしたぁーーー!!!
でもデコチュウだ。これは父親が娘に対してするそれに近い。恋愛感情ではないだろうな。
そして22話での疑問。
……やっぱり! つまりフェルナンは、エドモンへの可愛さ余って憎さ百倍、嫉妬憎しみごちゃ混ぜな恋心を、彼の恋人であるメルセデスに対する恋愛感情だと勘違いした(もしくは自分にそう思い込ませた)訳ですね? だからメルセデスも簡単に撃ち殺せたと。でも息子のアルベールは殺せない。むしろ1番大切なもの? うーむ……。
以前伯爵がアルベールに、当時のエドモン・フェルナン・メルセデスの関係を、アルベール・フランツ・ユージェニーのようだったと言ったけど……つまり、フランツがアルベールを想っていたように、フェルナンもエドモンを想っていた……という事ですか。でもフェルナンはフランツと違って、自分の想い人の恋人を、さらにはその想い人に対してまで憎しみを抱いてしまった、と。
うぅむ。こう考えるとフランツってかなり大人だ。作中の誰よりも大人。
フェルナンに語りかける伯爵を見ると、エドモンもフェルナンの事を好きだったのかなぁ、と思います。この好きは恋愛感情ではなくて、それこそアルベールのフランツに対するような、友情的な感情でしょうけど。だからフェルナンに裏切られた時、憎くて憎くて仕方なかったんじゃないかな。
……などと考えているうちに、アルベールを庇ってベルッチオが撃たれちゃったり! マジで死亡フラグだったのかよあれ!!(でもなんとか一命を取り留めたようで一安心)
そして冒頭の叫び再び。
アルベールが伯爵にちゅーしたぁーーー!!!
でもほっぺだ、ほっぺ。*2
違うんだ、これは萌えとかそういうんじゃないんだ。キスしたけど、したけどあれは恋愛感情じゃないんだ。もちろん好きだからしたんだけど、でもその「好き」も、loveとかlikeで言い表せるような「好き」じゃないんだ。人間として好きと言うか*3、憧れとか、あるいは父親に対して抱くような尊敬の念もあったかもしれないし、もちろんフランツの件もあるから憎しみも含まれているし、でもあれは復讐に駆られた可哀相な人がやった事、僕は伯爵を救いたいんだ! っていうのもあっただろうし、いやもちろん恋愛感情に似たもの、つーか恋する乙女の純情的なものもあったんだけど、あったんだけどそうじゃないんだ!
……って、私は何必死になって弁解してんだ。
このシーンについては私がとやかく言うまでもなく、見た方が、各自その意味を感じ取ってくれればいい訳で。とにかく、あらゆる感情が入り混じった複雑な想いが爆発してしまい、それを伝える術が思いつかなくて至った行動なのだと思うのです。
あともうちょっと言うと、伯爵とフェルナンにとってアルベールは、残された最後の希望と言うか、またこれもややこしい話になってくるんですが、かつて2人が失ってしまったピュアな心と言うか、良心の象徴と言うか……なんかもうとにかくそんな感じの存在だったのだと思います。
そして崩壊する屋敷に留まったアリとエロイーズ母子は……上手く言えないけど、同じように崩れてしまった伯爵の復讐と、伯爵自身に殉じたのではないでしょうか。
……くそぅ、ボキャ貧な自分が憎い。
「我が名は巌窟王。いつでもお前の心の中に」
これは、アルベールも巌窟王になる事ができたって事でしょうか。自分を裏切った伯爵や両親を憎んで、エドモンのように復讐に走る事もできたけれど、アルベールには、「人を憎むな」というフランツの言葉があった。だからそうなる事はなかった……のではないかなぁとか思うのですが、どっすか? ゲロゲ〜ロ〜。
しかしさらっと書くつもりが……とてもさらっと書けないよ、このアニメ!